愛犬がなかなか食事を食べてくれないと困っていませんか。食欲がないだけだと思ったら腎臓病だと診断されて驚いているのではないでしょうか。
いつもの食事だと腎臓病の犬に悪影響を与えないか心配ですよね。
そこで本記事では、犬の腎臓病について解説し、効果的な栄養素や食事を紹介します。
犬の腎臓病は早期に適切な処置をすれば回復が見込まれる病気です。そのためには食事を与える前に病気の症状や原因の把握が重要です。
なぜなら、一般的なペットフードには腎臓病を悪化させるタンパク質やリンなどが含まれている場合が多いからです。
この記事を最後まで見れば、腎臓病に効果的な食事を迷わず選べるようになりますのでぜひ参考にしてみてください。
犬の腎臓病とはどんな病気?症状と原因を解説
犬の腎臓病は、腎臓の機能が低下し体内の老廃物を適切に排出できなくなる病気です。
腎臓は体内の水分バランスの調整や血圧の維持、赤血球の生成促進など生命維持に不可欠な多くの役割を担っていて、腎臓病には以下の表のとおり急性腎臓病と慢性腎臓病の2種類があります。
種類 | 状態 | 原因 | 腎機能の回復 | 治療目標 |
急性腎臓病 | 短期間での急激な腎機能低下 | 腎毒性を含むものを誤食し引き起こされる感染症 | 見込める | 腎機能回復 |
慢性腎臓病 | 3ヶ月以上持続的な腎機能低下 | 高齢化に伴う腎機能低下 | 見込めない(不可逆性) | 病気の進行を遅らせる |
犬の腎臓病とは?
犬の腎臓病は、老化が主な原因になることが多い病気で、体内の老廃物を適切に排出できなくなるほどに腎臓が弱ってしまう病気です。
腎臓は生命維持に不可欠な多くの役割を担っているため、腎臓機能が低下すると犬の全身に様々な影響が現れます。
急性腎臓病の場合は、早期発見と適切な治療で回復が見込める病気ですが、慢性腎臓病は進行具合によって以下の表のように4ステージに分けられ、加齢とともに進行していく病気のため進行を遅らせる治療のみで完治は見込めません。
ステージ | 発見時期 | 症状 |
1 | 初期
早期 |
腎臓病の症状はほとんど感じられません。 |
2 | ||
3 | 中期 | 食欲の低下、嘔吐や下痢を繰り返す、散歩をしたがらなくなる症状が現れます。 |
4 | 末期 | 元気がなくぐったりとした状態が長期間続き、食事がほとんど食べられなくなります。 |
急性腎臓病の症状と原因
急性腎臓病は、短期間のうちに腎機能が急激に低下した状態で早期に適切な治療をすれば回復が見込めます。
主な症状は以下のとおりです。
- 突然の嘔吐や下痢
- 食欲不振
- 無気力
- 多飲多尿
重度の場合は、呼吸困難や昏睡状態に陥ることもあります。
また、急性腎臓病の主な原因は以下のとおりです。
- ユリなどの有毒植物の誤飲
- 抗凍液などの化学物質への暴露
- 感染症
- 脱水症状によるもの
ユリの摂取は猫で知られていますが、犬でも深刻な腎障害を引き起こす可能性があります。
急性腎臓病は早期発見と適切な治療を受けることが重要です。症状に気づいたらすぐに獣医師に相談し、適切な治療を受けましょう。
慢性腎臓病の症状と原因
慢性腎臓病は5〜6歳以上の高齢犬に多くみられ、老化が主な原因で長期に渡り少しずつ腎機能が低下していく病気です。
慢性腎臓病の主な症状は以下のとおりです。
- 多飲多尿
- 食欲不振
- 体重減少
- 嘔吐や下痢
- 口内炎
- 貧血
- 皮膚の乾燥
慢性腎臓病の原因は主に加齢により自然に腎臓機能が低下していくためです。そのため、完治が難しく進行を遅らせるための治療を行います。
腎臓病の犬に食欲がない理由
腎臓病の犬が食欲がなくなる理由は主に次の2つです。
- 尿毒症を発症して食欲がなくなる
- 療法食の味に慣れないため
尿毒症とは、腎機能の低下により体内の老廃物が適切に排出されず、消化器系に悪影響を及ぼす症状です。そのため、吐き気や食欲不振が引き起こされます。
また、すでに腎臓病用の療法食を与えている場合は、急な食事の切り替えにより味の変化に対応できていない可能性があります。
尿毒症を発症して食欲がなくなる
腎臓病が進行すると体内に老廃物が尿と一緒に排出されなくなる尿毒症を発症します。
尿毒症が発症すると、消化器系が炎症を起こし吐き気や嘔吐を引き起こすことで、食欲が低下する原因となります。
尿毒症を発症した場合の治療は獣医の判断により、急性腎臓病や慢性腎臓病に準じた治療が行われます。症状により以下のようなさまざまな治療法が施されます。
- 点滴による水分補給
- 消化器症状を緩和する薬物療法
- 血液透析治療
- 抗けいれん薬
- 利尿剤の投与
尿毒性を予防するためには、腎毒性物質の誤食に気をつけ、早期発見のため定期的な健康診断を受けましょう。また、腎障害を引き起こすレプトスピラ症のワクチンを接種する方法も有効です。
療法食の味に慣れないため
すでに腎臓病に効く療法食を試している場合にも食事が進まない原因は、味や食感の違いに慣れていない可能性が高いでしょう。
症状改善のために療法食に切り替えても食べてくれなくては効果はありません。
療法食への移行には、段階的な切り替えが大切です。たとえば、最初は普段の食事に少量の療法食を混ぜ、1ヶ月以上時間をかけながら徐々に療法食の割合を増やしましょう。
また、食事を加熱したり、少量の水を加えて食感を変えたりするなどの工夫も効果的です。
なお、療法食を与える際は必ず獣医師に相談し、次項の「腎臓病の犬に与えてはいけない食事」も参考にしながら食材を選びましょう。
腎臓病の犬に与えてはいけない食事
腎臓病の犬に普段どおりの食事を与えると腎臓の負担となり症状が悪化するものがあります。
腎臓病と診断された愛犬には次の栄養素を含む食事は控えるようにしましょう。
- 高タンパクな食事
- 塩分が多い食事
- リンを多く含む食事
健康な時は必要な栄養素でも、腎臓病の犬にとって腎機能に負担となる食事は避けるべきです。特に一般的なペットフードには、これらの栄養素が多く含まれている場合があるため注意しましょう。
高タンパクな食事
タンパク質は犬の体を作るための重要な栄養素ですが、多すぎるタンパク質を腎臓病の犬に与えるのは控えましょう。
腎臓は体内でタンパク質の代謝産物を処理する重要な役割がありますが、腎機能が低下している状態で、高タンパク食を与えると腎臓に過度の負担をかけ尿毒症のリスクを高めます。
高タンパク質とは、タンパク質の割合が30%以上の場合で肉や魚、一般的なドックフードにも多く降るまれている場合があります。
ただし、タンパク質が少なすぎると筋力が衰えたり、毛並みが悪くなったりするため、腎臓病の犬にはタンパク質が20%以下の低タンパク食を与えましょう。
塩分が多い食事
腎臓病の犬は体内の塩分を調整する機能も弱まっているため注意が必要です。
特に魚介類や加工肉、チーズなどの加工乳に塩分が多く含まれており、腎臓への負担のほかに、高血圧や浮腫(むくみ)、心臓への負担増加などの問題を引き起こします。
腎臓病の犬が塩分の多い食事を取り続けると、腎機能の低下により塩分に含まれるナトリウムを適切に排泄できなくなります。
また、腎機能への負担以外にも健康面に悪影響を及ぼす栄養素であることから、普段の食事から気を付けることをおすすめします。
リンを多く含む食事
リンを多く含む食事も腎臓病の犬にとって悪影響を与えます。リンはカルシウムと結合して骨や歯を強化する役割を担う栄養素ですが、腎機能が低下していると体内のリンを尿として排泄する機能が働かずに血液中に蓄積してしまいます。
リンが血液中に蓄積された状態が続くと、石灰化という深刻な合併症を引き起こす可能性があります。
特に牛乳や乳製品、肉や魚に多くのリンが含まれているため気を付けましょう。また他にも、タンパク質の多い食材にリンが含まれていることがあるため、タンパク質とあわせて確認したい栄養素です。
腎臓病の犬に効果的な食事とは?
ここまで犬の腎臓病に関する症状や原因、避けるべき食事を見ていきましたが、どんな食事を与えるのがよいのでしょうか。
腎臓病の犬に与える効果的な食事を以下の3つのポイントで解説します。
- 柔らかい食事を与える
- 数回に分けて食事を与える
- トッピングしてみる
腎臓の負担になる食事を避けると味気なくなってしまいますが、少しの工夫で症状の進行を遅らせる食事を与えられます。
なお、食材や療法食の選び方に少しでも不安がある場合は、獣医師と相談のうえ適切な食事を与えましょう。
柔らかい食事を与える
食欲が低下した腎臓病の犬は噛むことも辛くなるため、柔らかい食事を与えることで食欲の増進が期待できます。
たとえば、ドライフードをぬるま湯でふやかして柔らかくすれば食べやすくなり、温めることで香りも増して食欲増進につながるでしょう。また、水分を含ませた食事を与えれば脱水症状も予防できます。
また、柔らかい食事は口内炎や歯肉炎などを発症している場合も有効な食事法です。食事時の不快感を軽減し消化と吸収の助けにもなります。
数回に分けて食事を与える
腎臓病になった犬には消化器系への影響も考慮し、一日の食事を数回に分ける食事法もおすすめです。
たとえば、1日朝・昼・夕・就寝前の4回に食事を分けることで、消化器系への負担軽減と栄養素の吸収を分散できます。
食事の頻度は愛犬の様子をみて調整が必要ですが、複数回に分ければ食欲不振の犬でも必要な栄養を摂取しやすくなります。
また、腎臓病が進行して尿毒症になると口内炎や胃炎を発症する場合があるため、一度の食事量を減らす対策は有効であると言えるでしょう。
トッピングしてみる
栄養素に気をつけながらも食欲を増進するためにトッピングを加えてみることも効果的です。
たとえば、茹でたカボチャやにんじんは、腎臓病で避けるべき塩分やリンが少ないためトッピングしやすい食材です。
他にもオメガ3脂肪酸を含む魚油を少量添加する方法も良いでしょう。オメガ3脂肪酸には抗炎症作用があり、腎臓病に関わる炎症を抑える効果が期待できます。
それでもなかなか食事を食べてくれない時は、好物のフードを少量加えてみたり、肉汁やスープなどで香りを加えてみたりして食欲を沸かせる方法を試すと良いでしょう。
また時には、食欲がないからこそ特別な食事を与えてみるのはいかがでしょうか。
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ジビエと聞くと、野生動物のため鮮度の問題や食用肉として犬に与えて良いのか疑問に思う方も多いでしょう。しかし、ジビエ肉も他の食用肉と同様に犬のペットフードとして与えて問題のない食品です。
さらにgibi∞one(ジビワン)が扱うジビエフードは、捕獲後から加工まで食肉のプロによる一貫した管理により、衛生的で新鮮なジビエフードが提供できるのです。
特に鹿肉には、他の肉類にはほとんど含まれていないオメガ3脂肪酸を含んでいるため、抗炎症作用による腎臓病の症状改善が期待できます。また低脂肪で良質なタンパク質が摂取できる点や、消化吸収にも良い食材としてもトッピングに最適です。
ただし、犬にジビエフードをはじめて与える時は、獣医師と相談のうえ少量からはじめ、適切な量を見極めるようにしましょう。
腎臓病で苦しむ愛犬に少しでも良い食事を与える手段として新鮮なジビエフードは、症状改善も期待できる良い選択肢と言えるでしょう。
少しでも興味がある方は、gibi∞one(ジビワン)で他とは違うジビエフードを愛犬に与えてみてはいかがでしょうか。
腎臓病の症状と原因を知って効果的な食事を与えよう!
犬の食欲がなくなってしまう原因の一つに腎臓病の発症があり、急性腎臓病と慢性腎臓病の2種類があります。
急性腎臓病の場合は早期に適切な治療や食事をすることで回復が見込めます。しかし、加齢が原因で長い時間をかけて慢性的な腎臓病を発症した場合は完治が難しくなります。ただし、適切な治療や食事で症状の進行を遅らせることが可能です。
そのためには、愛犬の症状や原因を正しく理解し適切な食事管理を行うことが大切です。
食事を与える際には腎臓の負担となる以下の栄養素は避けましょう。
- 高タンパク質
- 塩分(ナトリウム)
- リン
また、食事の与え方にも工夫して、フードを柔らかくしたり、食事回数を多くしたり、トッピングしたりする方法を試してみるのも効果的です。
特にトッピングする食事は、腎臓病に考慮しつつも症状改善が期待できる良質なジビエフードを提供するgibi∞one(ジビワン)がおすすめです。
犬の腎臓病の症状と原因を正しく理解し、愛犬がより長く、より健康に過ごすためにも適切な食事管理を行いましょう。